天空にかがやく明星眺めつつ新たなる年の平安祈る

てんくうにかがやくみょうじょうながめつつ
あらたなるとしのへいあんいのる

一月十四日の宮中歌会始での今上陛下の御製です。

今年のお題は「明」でした。午前四時の四方拝・歳旦祭にお出ましになられる折の天空の明星を詠まれてをられます。

四方拝は嵯峨天皇のころに始まるとされ、一月一日の鶏鳴の頃に清涼殿の東庭に屏風を立てめぐらし、拝する座を設け、そこで黄櫨染御袍を召された天皇が四方拝をなさったと記されます。

宇多天皇の頃には毎朝四方拝もされるやうになり、宇多天皇ご自身の日記には「我が国は神国である。この敬拝のことは、今より始めて、今後一日も怠ることはない」とされてゐます。
この御態度は今日に継承されてをられます。

昭和五十年の歌会始のお題は「祭り」でしたが、その時の昭和天皇の御製と皇后陛下の御歌は
  我が庭の宮居に祭る神々に世の平らぎをいのる朝々
  星かげのかがやく空の朝まだき君はいでます歳旦祭に
でした。

また昭和四十九年のお題「朝」の皇太子殿下(現上皇陛下)のお歌は
  神殿へ すのこの上を すすみ行く 年の始の空白み初む
でした。

昭和五十四年の当時の皇太子妃(現上皇后陛下)のお歌には
  去年の星 宿れる空に 年明けて 歳旦祭に君いでたまふ
があります。

さらに平成十九年歌会始のお題「月」の皇后陛下御歌は
  年ごとに月の在ありどを確かむる歳旦祭に君を送りて
といふものでした。

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