斎庭の稲穂(ゆにわのいなほ)

高天原から瓊瓊杵尊が降臨されるときに、天照大御神が授けられた神勅のひとつに「斎庭の稲穂」の神勅があります
「神鏡奉斎」の神勅と同時に「吾が高天原にきこしめす斎庭の稲穂をもちて、また吾が御子にまかせまつるべし」とも仰せられたものです

御鏡は三種の神器のひとつであり、伊勢の神宮にまつられますが、高天原で大御神が召し上がられた稲穂が同時に授けられたのです

この稲こそが国民の命を支へる根本的なものとして高天原からずっと継承されてきたとの信仰のもとに今も私たちの暮らしの基盤ともなってゐます

伊勢の神宮でも神田で各種の厳粛な儀式と共に稲作りがされてをりますし、陛下も御歴代が皇居内の水田で御田植えも稲刈りもされてをられます
なにより大切なのは祈年祭、新嘗祭といふおまつりを御親祭されてをられることです

春には御年(米の生育)の安全で豊かなことを祈る祈年祭があり、秋にはその収穫を感謝する新嘗祭です

このまつりの意義は単なる豊作感謝ではありません
命の再生と継承が永遠であることが根底に存在します

現代もコンビニで「おむすび」が売られててゐます
この「むすぶ」「むす」といふことばにも命の再生増殖と末永い継続の意味がこもってゐます

国家の「苔のむすまで」にもそのことが表現されてゐるのです。

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