謹賀新年

謹んで新年のお慶びを申し上げます。
ところで、新年のご挨拶は「開けましておめでたう」といふのが定番ですが、新年が「おめでたい」理由について考へたことがおありでせうか。
新年を迎へるのは、ただカレンダーが改まるだけではなく、新しい「とし」をいただく意味があるのです。
「とし」とは一年三百六十五日といふ時間の経過をさすのではなく、その一年間を暮らし、生きてゆく「いのち」の意味があるのです。
昔の「算へ年」では正月に年取りをしましたが、新たな一年分の「いのち」をいただいたことで「とし」を重ねて、その回数で年齢としたのでした。
この「いのち」すなはち「とし」を賜るのが本来の「おとしだま(お年賜)」なのです。
そして、この「とし」をいただくのはだれもみな一緒です。
世界中の皆が一人一人それぞれ平等に一年の新しい「とし」をいただくのです。
これにより世の中も繁栄する基盤が固められます。
自分自身だけでなく国家や社会全体の「いのち」が若返り、さらに発展してゆくことを期待して、皆で相互に「おめでたう」の挨拶をするわけです。
天皇陛下が御即位にあたって「令和」とお定めになられて八年目の新年を、陛下も国民もみな等しく、共々に迎へる新年が、「とし」の原義に相応しい平穏にして豊かな年でありたいものです。
この大きな「いのり」であるが故に、「つつしんで」と謙虚な気持ちもこめて「謹賀」とも表現されるわけです。
