山口祭・木本祭


五月二日に神宮では山口祭・木本祭が齋行されます。
令和十五年に予定される第六三回神宮式年遷宮の最初の祭事です。
この祭事の日時は去る二月九日に御治定賜はりました。
山口祭は皇大神宮が午前八時、豊受大神宮が正午、木本祭は皇大神宮が午後八時、豊受大神宮が午後十二時とされてゐます。
御用材を切り出す山を御杣山と申します。
御用材の伐採を前にして、山の入り口で神々に事由を奉告し、安全を祈願します。
御杣山は現在は木曽の山林ですが山口祭は古来のまま、内宮は神路山、外宮は高倉山の麓が斎場となります。
続いてこの日の夜に木本祭があります。内宮は午後八時、外宮は午後十二時です。
御正宮の床下中央には「心御柱」があります。
神宮最極秘ともされる神秘の柱ですが、この用材の木の本に坐す神を深夜に祀る神秘の祭事です。
この祭事によりいよいよ御遷宮の諸事業が具体的に始まります。
六月になると木曽の御料林で御杣始祭があり、伐採された御樋代木を内宮・外宮の五丈殿に引き入れる御樋代木奉洩も予定されます。
九月には御船代祭があります。
御樋代、御船代といふのは、御を奉安する容器となるもので、この重要な用材に関する祭儀がまづ齋行されるのです。